“スーパークレーシューティング”作成記 part1

この記事は私ヨッシー(@yamazin_4wd)が歴代ビーダマン公式競技であったクレーシューティングという競技台を作成した経緯や過程を記録しています。

2020年9月頃、界隈は新製品として発表されたボトルマンに関する話題で湧いており、主にミニ四駆を楽しんでいた私のところにもビーダマン系の話題がちらほらリツイートされてきていました。そんな中、私もふと1998年の全日本ビーダー選手権(中部大会)で入賞したという過去の栄光(笑)を思い出してビーダマン関連で検索をしてみました。そこで当時の関東大会で優勝を重ねていたクマシエルさんという方を見つけたのがことの始まりです。調べてみると私の住んでいた中部地方では展開されていなかった公式競技の記録が色々と見つかってきました。

まずは実家から眠っていたビーダマン一式を取り寄せました。私がやってたのは初期ボンバーマンタイプからPIシリーズのあたり、最後に買ったのがコンバットフェニックスという世代です。思っていたよりも状態良く当時のものが残っていました。

これだけでは物足りないので、一番完成度が高いというEX-PIシリーズのビーダマンを何台かフリマ経由で手に入れて、買ったは良いものの持て余していた3Dプリンターで改造もしつつ第3回川崎玩具会というビーダマンで遊べるオフ会に参加してみました。するとそこには関東地区での公式ビーダマン大会で優勝経験のある当時のビーダーが何人も!90年代当時、東京でのミニ四駆やビーダマン等のホビーイベントに参加できなかった悔しさが蘇り、彼らと今本気でバトルしてみたいと思うようになりました。ところが玩具会でのバトルは所謂亀しばき(ブロックの押し合い)やブレイクボンバー等、競技玩具としてはシンプルな遊び方になっているのが気になりました。大人なんだし、ビーダマンをもっとディープに遊べるんじゃないか?と。

当時ビーダマンと言えば買ってカスタムするものの、家で壁打ちして遊んだ程度という人が殆どのはずです。私は工作が好きだったので、コロコロの記事を見て公式バトル台の模擬(撃った球が台の下に設置したスロープを転がって手元に戻ってくる)を作ったのを覚えていますが、人と遊ぶいわゆるバトルホビーとして楽しんだという人は珍しかったんじゃないでしょうか。時が経つこと20年、運の良いことに電子工作やDIYにはそれなりに経験を積んでいたので今の技術でバトル台を作ってみることにしました。目標は2ヶ月後、2020年12月の第4回川崎玩具会で設営してバトル!笑

まずは情報を集めるところから始めました。オフィシャルな情報は殆ど残っていないので、貴重な当時の模様をレポートされているあおんさんのサイトや当時のコロコロコミック、そして一番重要だったのはビーダー選手権に参加していた当事者からの情報です。幸いにして強豪ぞろいの関東地区で何度も優勝していたクマシエルさんシュトパンさん等に当時の細かな状況をお聞きすることが出来、それをもとに設計していくことにしました。決勝競技にはクレーシューティングの他シューティングサッカーというものもあったのですが、サイズや汎用性を考えた結果、クレーシューティングの方を作成することにしました。バトルビーダマンでは「スーパーアルティメットシューティング」、クロスファイトビーダマンでは「スーパーBシューティング」として何度も流用、もといリメイクされている歴史ある競技です。

主な仕様は下記の通りです。

・制限時間60秒
・3つのターゲットが横に動いており、当たると1点。7SEGでカウントが見える
・外れた玉は後ろの壁に当たって台下に落ち、手元に戻ってくる

まずは一番目立つスライド機構です。私はメカは専門ではなくてそれほど詳しくないので少し手こずりました。それとスパビー時代の公式大会の動画が残っておらず、実際の競技風景が見られなかったので、それならステッピングモーターでどんな動きもできるようにしようと思って作ったのがこちら。3Dプリンターの駆動でもよく使われるタイミングベルト式です。DINレールとVベアリングを用いたスライドメカはカメラの撮影レールを自作している方のやり方を参考にしました。

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この作業をしている途中でクマシエルさんに当時のバトル風景を撮ったホームビデオを発掘して見せてもらう事ができました!そこでスライドの動きがラック&ピニオン的なギヤ制御の動きではなくクランクアームを用いた円運動を基本とした動きをしていることに気が付きました。なので方針転換してモーターは普通のDCモーター、速度制御はアナログで一定にしてクランクアームを組み合わせたスライドメカを作成しました。ここから何度か構造のブラッシュアップをしていますが、基本はこの構造がベースになっています。アームは3Dプリンターにベアリングを埋め込んで作ったんですが、何度もやり直せるので本当に便利ですね。既製品の組み合わせではなかなか難しいと思います。

後から知ったんですが、この手のからくりメカに最適な本を紹介してもらいました。ビーダマンを研究する上でもかなり役に立つ素晴らしい教科書です。もっと早く出会っていれば・・笑

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次はヒットセンサー部の開発です。せっかくならビー玉がヒットしたときのパワーも計測したかったので、ヒット判定には単純なスイッチではなくピエゾ素子を用いることにしました。電子回路については色々と知識があるので、試行錯誤しつつもスピードの乗ったビー玉がヒットするとより高い電圧が安定して得られるように作り込む事ができました。具体的にはセンサーで拾った振動を電気信号に変換、電子回路でA/Dしやすいよう波形整形してからArduinoで読み込みしています。

低反発のゴムで衝撃を吸収したり、3Dプリント品の形状を工夫したり、プログラムでのエッジ検出アルゴリズムを練り込んだりと、このあたりに肝となるノウハウが詰まってます。

この低反発ゴムがめちゃくちゃ優秀で、見事にビー玉の衝撃を吸収してくれます。反射を消せるので、家でビーダマンを遊ぶ人は持っていて損はないと思います。壁打ち、その他何でも使えます。

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そしてターゲットのモジュールをスライド台にセット、液晶ディスプレイに点数表示する部分もガンガン実装していきます。

そんなにプログラムは得意じゃないんですが、レトロなUIで頑張りました笑

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テクニカルな要素に見通しが立ったので最後に筐体を作り始めました。正直これが一番きつかったです笑

様々な角度の写真から寸法を割り出し、3D図面化します。それをホームセンターで木材加工してもらい作っていくことにしました。(東京住まいのため家で2×4とかをバリバリ加工できる環境ではなく。。)

設計ミスもあったりして完成までに10回近くホームセンターに通いました。こんなことならホームセンターの近所に住んでおけばよかった(^^;)

分解可能にするために、すべてのネジ穴には鬼目ナット(埋め込み式の雌ねじ)を使いました。1m x 40cm程度とは言えずっと家に広げっぱなしにはできないのでコンパクトに収納しつつも、強度が保てるように拘りました。

カラーリングも本家と一緒にするために似た色のカッティングシートを購入し貼り付け加工していきます。塗装だとビー玉があたって剥がれてしまいそうだったのであえてシート方式にしました。キレイに貼り付けるのが難しく、何度もやり直しながらコツを習得しました。その他穴あけ間違えたのをパテで埋めたり、ミニ四駆肉抜き式で板に穴を開けたり、色々ありましたねえ😅

そしてなんやかんやで完成!当時の公式大会を知っている方、本だけで見たことがあった方、世代違いのビーダー、いろいろな方に注目して頂けて嬉しかったです!!

そして目標であった12月の第4回川崎玩具会にも間に合い、無事お披露目、クマシエルさんやpicoさんを始めとするスパビー世代のトップビーダーの方々と熱い戦いを繰り広げることが出来ました!作って良かった!

イベントについてはほうじ茶さんが素晴らしいレポートを挙げてくださっているので、そちらを御覧ください。

第4回川崎玩具会参加レポ(簡易)
2020/12/12(土)に川崎で行われた「第4回川崎玩具会」に参戦してきました。参加者たちの改造ビーダマン達。個性的! せっかくなので久々に玩具会のレポを簡易的に綴ってみる。川崎玩具会って?4speedさん(@4speed8)が主催する川

さて、これでスーパークレーシューティング復活プロジェクトは終わりかと思いきや、俺達の戦いはまだまだ続きます。オリジナルのスーパークレーシューティングでは加味されていなかったヒットのパワー判定をゲームに取り込み、さらにはターゲットにフルカラーLEDを埋め込むことによって新しいゲームモードを作成することが出来ました。長くなりましたのでpart2に続きます。お読み頂きありがとうございました。

*このあと作成されたパワーアップ版のクレーシューティングマシン「B-バトルステーション」を受注生産にて作成を承っています。ビーダマン競技を自宅で楽しみたいという方は製作販売いたしますので、DMにてご連絡下さい。@yamazin_4wd

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